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主体的に考えることを目指した「ルールの工夫」
次のルールは何が問題でしょうか。
- ネットの「使いすぎ」に気をつけよう
- スマホは「夜遅い時間」には使わない
- ネットで「たくさん」お金を使わない
「 」の中の表現にあいまいさがあるため、親と子供とで基準が異なる場合があります。ルールを 決めるときは、あいまいな表現をさけましょう。
「スマホは夜10時までしか使わない」というルールを破ってしまう子供がいたら、どのように声を掛けますか。
- Aルールを破ったことを叱る
- Bどのようにしたらルールを守れるかを一緒に考える
Aのような「制限」によるコントロールから、Bのように子供と一緒に対話をしながら「主体的なルールづくり」をするようにしましょう。
ルールの決め方と遵守の関係
高校生を対象とした調査によると、保護者主導でルールをつくったときより、子供と一緒にルールをつくったときのほうが、子供がルールを守る確率が高いことが分かっています。
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「ネットを使い過ぎない」というルールが守られない理由
子供は、「自分はネットやゲームを使いすぎていない」と考える傾向があるため、「使い過ぎない」というルールは守られなくなりがちです。
「使い過ぎ」から抜け出すための5ステップ(ステージ)
次の5つのステップ(ステージ)に沿って声を掛け、行動変容を促しましょう。
1日のうちにどのくらいネットを利用しているか、子供に具体的に書き出させるなどして、「長時間使い過ぎていること」、「他者よりも長く使っていること」を本人に自覚させることが、インターネット依存傾向の予防・改善のための行動変容のきっかけとして重要です。
インターネット依存傾向から抜け出す段階
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無関心期
適切にネットを使えるように行動変容することに関心がなく、行動を変えようと考えていない時期
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関心期
適切にネットを使うよう行動変容する必要性は分かるが、すぐに行動を変えるつもりがない時期
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準備期
近々(1ヶ月以内に)、ネットの使い方について自分の行動を変えようと考えている状態
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実行期
ネットの使い方についての望ましい行動変容が始まって、まだ6ヶ月以内の時期
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維持期
ネットの使い方について、6ヶ月以上望ましい行動が続いている時期
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ネットを使い過ぎていないか、子供と確認してみましょう
以下の質問票で、8項目のうち5項目以上当てはまれば「病的使用者」と判定されます。
- ① インターネットを利用し、SNSやゲーム、ショッピングなどをすることを思い出したり、次の利用が楽しみになるなど、インターネットに夢中になっている。
- ② 満足するには、インターネットの利用時間をどんどん長くしていかなければならない。
- ③ 利用時間を減らしたり、やめようとしたりしても、うまくいかないことが繰り返しある。
- ④ インターネットの利用時間を減らそうとすると、落ち着かなくなったり、不機嫌になったり、落ち込んだり、いらいらしたりする。
- ⑤ インターネットを利用した活動の時間が、利用する前に予定していた時間より長くなる。
- ⑥ インターネットの利用のせいで、大切な人との関係を危うくしたり、勉強の機会を失ったりする。
- ⑦ インターネットに夢中になりすぎたせいで困ったことが起きても、ごまかすためにうそをつく。
- ⑧ 困っていることや不快なことから逃れるためにインターネットを使う。